Endoscopic Mucosal Resection for Early Gastric Cancer-Usefullness of Planning Fractionated Resection-

Abstract
われわれは早期胃癌の内視鏡治療として,高分化型,2cm以下の0Ⅱa病変,1cm以下ul(-)の0Ⅱb病変,1cm未満ul(-)の0Ⅱc病変を絶対適応として,粘膜切除術(EMRC法)を第一選択として施行している。1.5cm未満の隆起型や明瞭な陥凹型病変では一括切除を行うが,1.5cm以上の隆起型,わずかな陥凹型や平坦型病変では,十分な断端を得るために計画的分割切除を行っている。分割切除に際しては,1個1個の標本を大きくマーキングを含めて切除することが再構築にとって重要で,また1個の標本中に病変の多くを含めることが病理組織学的検索にとって重要である。現在までにEMRC法で切除した胃腫瘍性病変50例62病変中,41病変は一括切除例,17病変は計画的分割切除例,4病変は一括切除を試みて遺残し,追加切除を加えたものであった。再構築が可能と考えられた病変は,計画的分割切除で17病変中14病変(82%),追加切除で0%であった。3-34ヵ月の経過観察中に遺残再発を認めたものは,一括切除例で41病変中1病変(2.4%),追加切除例で4病変中1病変(25%)の2病変であり,計画的分割切除例には相対適応例も含めて遺残再発を認めていない。粘膜切除の理想は一括切除であるが,病変によってはEMRC法による積極的な計画的分割切除が遺残再発の防止につながると考えられた。

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