Hypotensive effects of diltiazem in DOCA/saline hypertensive rats

Abstract
Diltiazem hydrochloridc(Dil)の降圧作用をDOCA/saline高血圧ラットで検討した.Dilは静脈内投与(urethane麻酔下,10~300μg/kg)および経口一回投与(無麻酔,3~100mg/kg)によって,DOCA/saline高血圧,片腎摘出(saline負荷)および正常ラットの血圧を用量依存的に低下させたが,DOCA/saline高血圧ラットにおける降圧作用が他のラットの場合と較べて5~10倍強かった.また,DOCA/saline高血圧ラットの血圧上昇過程に対するDilと利尿薬であるtrichlormethiazide(TCM)との併用効果を3週間連続経口投与で検討した結果,Dil(15mg/kg,p.o.×2/day)およびTCM(1mg/kg,p.o.×2/day)はそれぞれ血圧上昇過程をわずかに抑制したが,DilとTCMの併用(Dil 15mg/kg+TCM 1mg/kg,p.o.×2/day)は,血圧上昇過程に対しより強い抑制作用を示した.さらに高血圧に達したDOCA/salineラットにDil,TCMおよびDil+TCMを10日間連続経口投与しても,ほぼ同様の傾向が認められた.なお,先の実験に用いたDOCA/saline高血圧ラット(Dil,TCMおよびDil+TCMの3週間連続経口投与群ならびにcontrol群)について,両側迷走神経切断,pelltolinium処置後norepinephrineおよびangiotensin IIによる昇圧反応を調べた結果,薬物投与群とcontrol群の間に差は認められなかった.以上,Dilの降圧作用は,利尿薬との併用で増強されるが,このDilの降圧作用はnorepinephrineおよびangiotensin IIに対する血管反応性の低下によるものではないと考えられる.

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